カテゴリー「(ヨ)吉田修一」の2件の記事

『さよなら渓谷』 吉田修一

こちら

吉田修一、

『悪人』につづき、事件モノ第2弾です( ̄▽ ̄)σ

前回の『悪人』がかなりの高得点だったので、

読み手としても、これまた期待してしまいます。

あらずじは、

町の奥にある団地、

通称「奥団地」にて児童殺人事件が発生。

当初、悲劇の母だった立花里美は、

一転、容疑者として逮捕される。。。

と、まぁ、

明らかに東北で起きた例の事件をモチーフにしてますが、

上記の事件は、単なる前フリ。

吉田修一が、ホントに書きたかったのは、以下。

その立花里美の隣家には、

尾崎俊介・かなこ夫妻が住んでいた。

だが、詭弁癖のある立花里美の、

尾崎俊介との度重なる肉体関係の証言をもとに、

警察は俊介も重要参考人として事情聴取を行う。

妻かなこが夫の不倫を警察に告白していたことが

それに追い討ちをかけ、

俊介は留置場へ連れて行かれる。

しかし、

かなこの証言は、事実と異なるものだった・・・。

正直ね、

途中まで、

誉田哲也が好きそうな題材だなぁ~

思いながら読んでました。

児童殺人事件とは別に、レイプ事件もあるんですが、

これこそ、

誉田哲也の領域です(?)( ̄∇ ̄;)

だから、

吉田修一には荷が重いように感じられて、

事実、レイプシーンなんて誉田作品のドロドロに比べれば

凄惨さが伝わりにくく、

うーん、なんか拍子抜け。。。

でもね、

最後はやっぱり締めてくれましたよ、

我らが吉田修一★

(〃∇〃) てれっ☆

この心理描写は、

誉田哲也には書けないなぁ~。

と、まぁ、

関係ないのに誉田哲也作品と比較してしまいましたが、

俊介の気持ち、

痛いほど伝わりました。

一言であらわすなら、「加害者の懺悔」

レイプ事件で逮捕された経歴を持つ尾崎俊介の、

一生背負っていく十字架。決して消えない罪の意識。

「自分は、一生幸せになってはならない」

と思い続けること。

あたしも、

男女関係等々いろいろありまして、

「自分は幸せになっちゃいけない人間」と思い続けたクチです。

この罪の思い、

あたし自身は精神科の薬に頼らざるを得ないトコとまでいきました。

だから、

尾崎俊介の気持ちは、わかる。

クライマックスからラストに向けては、

ホントにあたし自身への問いかけのように感じられました。

ふぅ。。。

なんか、

ついつい自分のことについても告白してしまいました・・・。

むしろ、自分のことに触れなくては、

純粋な感想は書けないと思いました。

「文学」は、人を助ける。

読み終えて、一晩過ごして、

いま、こうして感想を書き込んでいます。

なんだか、

夏目漱石を読んでる感じになりました。

系列としては「門」「それから」「こゝろ」と同じトコに属します。

少し心が昇華されました!度★★★★★(5つ星)

にほんブログ村 本ブログへ←クリックすれば、ランキングアップ!

| | コメント (0) | トラックバック (1)

『悪人』 吉田修一

こちら

ついに図書館で発見しました★

吉田修一『悪人』

これねぇ、前から読みたくて読みたくて、

でも、ずーっと貸し出し中で読めなかった本なのです。

なんで、読みたかったのか。

理由は2つあります。

まずは、

作者が吉田修一だから。

吉田修一の芥川賞作品

『パークライフ』が大好きなんです。

あら、パークライフの感想はこのブログに書いてないのね( ̄∇ ̄;)

気が向いたら、読み直して書きます♪φ(.. ) カキカキ

そして、もうひとつの理由が、

登場人物たちが行き来するエリアが、

あたしの土地勘がある福岡だから。

しかも、

1ページ目から、ドンピシャ( ̄▽ ̄)σ

ちょっと引用します。。。

この荒江交差点を基点に

早良街道とも呼ばれる263号線が

まっすぐに南下する。

街道沿いにはダイエーがあり、

モスバーガーがあり、セブンイレブンがあり、

「本」と大きく書かれた郊外型の書店が並ぶ。

え~と、

え~と、

全部知ってます( ̄▽ ̄)σ

なぜなら、

あたしが住んでたアパート、

早良街道のすぐそばだから(* ̄∇ ̄*)

あたしがインストラクターしてたスイミングスクール、

早良街道のすぐそばだから(* ̄∇ ̄*)

もーねー、

ダイエー、行ってましたよ。

セブン?働いてたスイミングの近所んとこ??

モスバーガー、

あたしが福岡いるときに潰れたよ( ̄∇ ̄;)

本屋さん、買った買った♪

さすがに、

物語進行につれ出てくる佐賀長崎のことはわからないけど、

知ってる土地が出ることで、

しかも、この物語の語られている時間が

2001年~2002年1月で、

はい、

あたしが早良街道沿いに住んでいた頃のお話で、

(あ、でも、物語自体はフィクションよ)

ちょっと、わくわくぞくぞくしました★

吉田修一の文章力だけでも、大抵の人は飲み込まれるのに、

あたしは更にこんな事情を持ってましたんで。。。

すっごい楽しませていただきました(〃∇〃) てれっ☆

さてさて、

あらすじを書きます。

物語は2002年1月初旬、長崎在住の清水祐一

殺人および死体遺棄容疑で逮捕されるところから始まります。

被害者は、福岡市内在住の保険外交員、石橋佳乃

死体遺棄場所は、地元の心霊スポットとしても有名な三瀬峠

ただし、

簡単に清水祐一が捕まったかというと、そうではありません。

石橋佳乃の遺体が発見されたのは2001年の12月10日。

しかも、

石橋佳乃の同僚の証言で容疑者として浮上したのは、

清水祐一ではなく、南西学院大学に通っている増尾圭吾でした。

さらに、

増尾圭吾は、事件前後から行方不明に。。。

警察は、ゆえにずっと増尾圭吾を追っていたのです。

では、なぜ、

警察は増尾圭吾を追ったのか?

じつは、

石橋佳乃が同僚にウソをついていたからです。

すなわち、

増尾君と付き合っていて、今日も今から会うんだ♪

と。

実際は、石橋佳乃と増尾圭吾は

付き合っているのでもなんでもなく、

石橋佳乃がその日会う予定だったのは、

出会い系サイトで知り合った清水祐一でした。

物語は、そこから錯綜します。

石橋佳乃の携帯から、

石橋佳乃が出会い系でいろんな男と逢っていたことが判明します。

聞き込みに訪れた警察に、

石橋佳乃と売春関係を持った男たちは焦ります。

そして、

時間が経つにつれ事件の概要がわかってきたところで、

ワイドショーがおもしろおかしく騒ぎ立てます。

石橋佳乃の実家には、

石橋佳乃は淫乱女と、

死んで当然と罵るFAXが手紙が

大量に届きます。

父親は、娘はそんな人間じゃないと、

悔しくてはらはらと泣きます。

一方で、

清水祐一の祖母は、

事件当日の祐一の不在に、一抹の不安を感じてました。

でも、まさかそんなこと、本人に直接聞けません。

さらに、そういう老人の不安に付け込んで、

親身になって近づく悪徳セミナー業者・・・。

タイトルの『悪人』

いったいこれは誰を指すのでしょう?

答えは、

本を読み終えても、しばらく考えさせることでしょう。

こういう、

読み終わっても余韻が続く小説好きだなぁ♪

ぜひぜひ、この本見つけたら手に取ってみてください。

オススメですよ( ̄▽ ̄)σ

根っからの悪人って、

定義してみると難しいなぁ!度★★★★★(5つ星)

にほんブログ村 本ブログへ←クリックすればランキングアップ♪

| | コメント (5) | トラックバック (0)