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2008年10月

『さよなら渓谷』 吉田修一

こちら

吉田修一、

『悪人』につづき、事件モノ第2弾です( ̄▽ ̄)σ

前回の『悪人』がかなりの高得点だったので、

読み手としても、これまた期待してしまいます。

あらずじは、

町の奥にある団地、

通称「奥団地」にて児童殺人事件が発生。

当初、悲劇の母だった立花里美は、

一転、容疑者として逮捕される。。。

と、まぁ、

明らかに東北で起きた例の事件をモチーフにしてますが、

上記の事件は、単なる前フリ。

吉田修一が、ホントに書きたかったのは、以下。

その立花里美の隣家には、

尾崎俊介・かなこ夫妻が住んでいた。

だが、詭弁癖のある立花里美の、

尾崎俊介との度重なる肉体関係の証言をもとに、

警察は俊介も重要参考人として事情聴取を行う。

妻かなこが夫の不倫を警察に告白していたことが

それに追い討ちをかけ、

俊介は留置場へ連れて行かれる。

しかし、

かなこの証言は、事実と異なるものだった・・・。

正直ね、

途中まで、

誉田哲也が好きそうな題材だなぁ~

思いながら読んでました。

児童殺人事件とは別に、レイプ事件もあるんですが、

これこそ、

誉田哲也の領域です(?)( ̄∇ ̄;)

だから、

吉田修一には荷が重いように感じられて、

事実、レイプシーンなんて誉田作品のドロドロに比べれば

凄惨さが伝わりにくく、

うーん、なんか拍子抜け。。。

でもね、

最後はやっぱり締めてくれましたよ、

我らが吉田修一★

(〃∇〃) てれっ☆

この心理描写は、

誉田哲也には書けないなぁ~。

と、まぁ、

関係ないのに誉田哲也作品と比較してしまいましたが、

俊介の気持ち、

痛いほど伝わりました。

一言であらわすなら、「加害者の懺悔」

レイプ事件で逮捕された経歴を持つ尾崎俊介の、

一生背負っていく十字架。決して消えない罪の意識。

「自分は、一生幸せになってはならない」

と思い続けること。

あたしも、

男女関係等々いろいろありまして、

「自分は幸せになっちゃいけない人間」と思い続けたクチです。

この罪の思い、

あたし自身は精神科の薬に頼らざるを得ないトコとまでいきました。

だから、

尾崎俊介の気持ちは、わかる。

クライマックスからラストに向けては、

ホントにあたし自身への問いかけのように感じられました。

ふぅ。。。

なんか、

ついつい自分のことについても告白してしまいました・・・。

むしろ、自分のことに触れなくては、

純粋な感想は書けないと思いました。

「文学」は、人を助ける。

読み終えて、一晩過ごして、

いま、こうして感想を書き込んでいます。

なんだか、

夏目漱石を読んでる感じになりました。

系列としては「門」「それから」「こゝろ」と同じトコに属します。

少し心が昇華されました!度★★★★★(5つ星)

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